第3回:横並びのサラリーマン根性
日本人は、これまで横並びで来ました。
学校内においても、会社内においても、隣近所においても、他人がどのような行動をとっているかを基準として考える横並びの考え方で、何の問題も発生しませんでした。
そのため日本には「他の人がやっていることと同じことをしていれば、安全だ」「もし全員が危険になったら、最後は政府が何とかしてくれる」という、とんでもない共同幻想を抱いている人間が増殖してしまっています。
特に年功序列・終身雇用制の企業システムの内部では、同期の人間の昇進・昇給もそれほどの大差がなく横並びできました。
それが原因で、自分がリスクを取りもしないのに、他人が億単位で儲けているとそれを羨ましがったり、妬んだりする人種が大変多いのです。
自分は何の努力もせずに、結果だけ他人と同じでいたいわけです。
現象面だけみて「自分だって知っていれば出来たんだ」とか「チャンスさえあれば、自分のほうがもっと上手くやれた筈だ」とか言ったりします。
そのような言動は特に日本のエリートサラリーマン、公務員など自分の生活が保証された人間に顕著です。
他人を羨ましがっている人間に「前回はチャンスをご提供できなくてすいませんでした。今回は、前回の方と同じ物件をご紹介します」といって、投資物件をご紹介すると、途端に「借入金○億円が、もし支払えなくなったらどうするんだ?」とか「空室がでたら保証してくれるのか?」とか、自分が責任をとらずにリターンだけを得る方法がないかと必至になって捜し始めます。
そして、最終的に「自分には、リスクが大き過ぎますので、今回は購入は辞退します」と言い出す始末。
リスクを取りもせずに、高額のリターンだけ求めるさもしい姿には、この人はどこまで欲深いんだろうと思わずにはいられません。
彼らの一方的な話を聞いていて、これが、世間でエリートサラリーマンといわれる人種の姿かと心根の卑しさに相手にするのが嫌になる時があります。
彼らの辞書には「自己責任」という言葉は載ってないのでしょうか。
リスクを負う覚悟のない人間は、他の人がどんなに儲けていてもむやみに羨ましがったり妬んだりしてはなりません。
リスクを負わない人間には、リターンを得る資格がないのですから。