第6回:やってはいけない危険な投資2「住宅ローンのリスク」
子供の頃「借金は危険である」と習ったんだったら、消費のための借金をしなければよいのですが、もう一つのルールである「横並び」によって、同僚がマイホームを買うと、自分も年収の何倍もの借金を負って買いたくなる。
住宅ローンは、返済原資が自分の労働によるものですよね。
ですから、昇給が止まったり、ボーナスが減額されたり、病気になって働けなくなったりすれば、債務不履行になるわけです。
これに対して不動産投資は、自分が働かなくても入居者からの賃料収入によって借入金を返済していけばいいわけです。
また、金利が上昇した場合でも、住宅ローンの場合には、返済金額に直接跳ね返ってきますが、不動産投資の場合には、金利は経費となりますので、その分所得税または法人税の圧縮になり、金利上昇のリスクは幾分和らぎます。
ですから、考えてみてどちらが債務不履行になる可能性が高いかというと不動産投資よりも住宅ローンのほうが債務不履行になるリスクは高いと言えます。
実際、多重債務に陥って相談に見える方も、住宅ローンが原因の方が非常に多い反面、収益物件のオーナーで多重債務に陥っている方はほとんどいません。
コントロールされた10億円の不動産投資よりも、5,000万円の住宅ローンの方がよっぽど危険なのです。
住宅購入などの消費活動のために、借金をしてはなりません。危険な借金です。
一方、繰り返しになりますが、借金自体は、その調達コストを上回る収益をあげられる限りにおいては、何の問題も無いばかりか、投資活動においては必要な「借金それ自体は、善でも悪でもなくニュートラルな存在」です。
投資のための借金を恐れてはなりません。
また彼らは騙された訳ですが、今、メガバンクは、最初の3年間の短期固定で0.95%にする住宅ローンのキャンペーンをやっていますね。
「ゆとり返済」でいつか来た道だとおもうんですが……
住宅を購入する資格の無い低所得者層から収奪しようという魂胆がみえみえですね。
不動産屋は「住宅ローン控除の追い風も受けられますし、金利キャンペーンの今がチャンスです!」と煽り、彼らは購入の基準を自分が購入可能な限界金額に設定するでしょう。
金利優遇商品はマーケティング的にいえば、フロントエンド商品というもので、顧客をより収益性の高い商品に誘い込むために、敷居を低くしている訳です。
しかも、普通のマーケティングよりも巧妙な所は、フロンドエンド商品を消費した段階(固定期間の3年を経過した段階)で、顧客からはバックエンド商品を購入するかどうかの選択肢は奪われているという点です。
彼らは、より高い金利となっているバックエンド商品を購入するか、さもなければ、ローン全額の一括返済をするしか方法はありませんが、彼らには一括返済するだけの資力が無いからです。
彼らは、フロントエンド商品に手をつけたときから、銀行の懐深くに誘い込まれるように運命付けられています。
彼らが罠に嵌ったと気付いたときには、もう底から抜け出ることは出来ません。
また彼らは騙されたわけですね。