第12回:人間の認識の不完全性
僕は、通販大家さんという不動産投資の支援の会社をやっています。
具体的には、サラリーマンの方が、不動産投資で資産を形成するプランを提案しているのですが、相談に見えた方に「自分には出来ません」と言われる事があります。
つまり「生涯賃金を上回る金額の資産を作ることは、自分には不可能である」というのです。
これは、単に自分のコンフォートゾーンが低いという問題ではなく、彼の認識では、論理的に不可能だという意味です。
で、なぜそのような判断をするかというと、その人の判断の元となる、脳内に蓄積されているデータベースが、現実世界と微妙にずれているからです。
不完全なデータベースと照合して、判断を下すわけですから、解に到達する道筋が見えてこないわけです。そうすると、実際には可能なことであっても不可能に見えてしまうわけですね。
例えば、あなたが目の前に、石、ガラス、鉄を出されて、この中から液体のものを捜せと言われたらどうするでしょうか?
普通の方でしたら、手で触ってみて固い物は個体であるという情報に基いて、3つとも固体だという判断をし「液体のものなど無いです。」と答えるでしょう。
固いものが固体だというのは、日常生活においては99.99%くらいの場合、該当しますね。
でも、ガラスはその物質に固有の規則的結晶構造を持っておらず、むしろ液体の粘度が非常に高くなった状態ということができます。
その意味では、ガラスは液体です。(実際古い教会のステンドグラスなどで、上の方が薄くて、下のほうが厚くなっているのは、数百年の期間を掛けてガラスが流れているからですね。)
日常生活では、その物質が固体かどうか判断するには、物質の結晶構造を調べる時間的な余裕もないため、手で触るという簡便な方法で良しとしているわけです。