金森重樹の不動産投資コラム 第6章:エリアマーケティング

第115回:ここがおかしい日本の不動産投資1「ファンドの動き」

ここまで日本の人口動態について見てきたのですが、ここのところの地価上昇について一役買っているファンドの動きについて、外資系ファンドでアセットマネージャーをしている空井さんに説明してもらいました。

空井さん

最近は物件の取得競争が激しく、都内ではファンドが物件を取得することが困難になっています。そこでファンドが「マーケット価格が全てだ」と言わんばかりに、デューデリ会社や鑑定機関が評価した価格を無視した2倍くらいの金額で落札する状況を良く見かけます。そうでもしない限り、Bit(競争入札)の場合落札できないんです。

ファンドに組みこまれる物件の中には、周辺の物件と比べて明らかに見劣りするものが、そうした高値で買われています。じゃあ、一体全体そんな高値で買った物件は、どうやって出口を迎えるのでしょうか?

金森

確かに、僕なんか任意売却に入札で参加していましても、地方の物件で「こんな値段で採算が合うの?」というような金額で、ファンドが落としていくケースがありますね。

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